2011年5月10日火曜日

原発事故対策及び津波被災地の住宅建設についての提案


原発事故対策及び津波被災地の住宅建設についての提案
群馬県前橋市青柳町 無職 64歳 金井正之
はじめに
原発は将来的には人体にやさしいエネルギーに取って代わられるとしても、現実的には当面お付き合いしなければならないと思われるので、そのお付き合いの仕方を考えておくべきである。私は原発の専門家ではなく、まったくの素人であり、報道から得られた知識しか持ち合わせておりませんが、原発の事故対策について日ごろから思いついたことを忘れないために書き留めておこうという意味でまとめてみました。無知や誤解もあるかもしれません。その節はご容赦ご教示下さい。
原発事故対策
津波や地震に強い原発
次の事項はすでに指摘され、実行に移されているものもありますが、まとめてみました。
外部からの送電を3系統くらいに増設する。
非常用ディーゼルエンジンの防水対策や、燃料を建物の中に入れて囲い強化し、津波にさらわれないようにする。
電源車を配備する。
真水を十分用意しておく。
廃棄用のプールを作っておく。
津波の高さや水圧に耐えられる防潮堤を建設する。
外部からの救援
しかし、被災地に立地する原発の地震対策をするだけでは不十分である。どんなに立派な対策を立てても、そもそも災害の被害の程度は予測不能なものである。従って被災していない場所からの救援を考えておくべきである。
非常用バッテリー(詳細は不明ですが、非常用復水器・非常時冷却循環系)が有効な、電源喪失から8時間以内が重要である。今回はこの間の時間が浪費されたように思えてならない。外部電源が復旧するのに17日間も(3月22日10:43pm3号機中央制御室の照明点灯、24日11:30日1号機、26日4:46pm2号機、28日4号機)かかるとは予想できなかったのかもしれないが、当事者のお考えをお聞きしたい。
非常用ディーゼルエンジンを大型ヘリで輸送できるように、ヘリポートを原発敷地高台に2箇所以上設置する。また陸上からも、地震で壊れた道路を開鑿しながら進める、ブルドーザーを搭載した車列を組んでの輸送方法を準備しておく。
今回の地震は午後の3時42分に全電源喪失となった。それから8時間後は午後11時である。この間に非常用電源を輸送できなかったのだろうか。悔やまれる。外部電源がそのうち復旧するだろうと楽観していたのだろうか。
また海水を注入し始めたのはいつだったのだろうか。(12日19:55首相が1号機の注水を指示とのことだが、これは15:36水素爆発の後の事、非常用バッテリーの有効期間が過ぎてからすでに21時間経過していた。このあたりの報道は放水のことばかりで、明確でない。)この8時間の間に行われていたのなら、このような大惨事にはいたらなかったのではないのか。どうなのだろうか。この8時間のうちに真水がなければ海水を注入する準備をしておくべきだったのではないか。原発の専門家である東電関係者は、アメリカのオークリッジ国立研究所が1981~82年全電源が喪失したときのシミュレーションを実施、報告書をNRCに提出していたことを知らなかったのだろうか。米・仏・露等諸外国の知見を学ぶべきである。
自衛隊の活用
原発敷地内の瓦礫の撤去のためのブルドーザーを、原発及び自衛隊基地との両方に備えておく。
自衛隊内に原発に特化した部隊を設ける。防衛大学に原発事故対策のカリキュラムを設ける。
大型建設生コン用大キリンは給水だけでなく石棺にも有用であるから、自衛隊や協力企業内に複数準備しておく。
緊急時のマニュアル作成
緊急時のマニュアルを作り、想定されるレベルの異なるいくつかの事故対策パターンを考えておくべきである。また原発事故対策の知見は広く共有されるべきである。
報道では津波対策や電源喪失対策が報じられているが、制御棒が入らず圧力容器や格納容器が破壊・爆発するような最悪の場合の対策も考えておくべきだ。チェルノブイリに倣って石棺化のために、液体窒素、ホウ酸、粘土、鉛、セメントなどを準備しておくべきだ。
水素爆発を防ぐための対策
今回、2号機の格納容器のベントはしたのだろうか。2号炉のサプレッション・チェンバーはどうして破壊(3月15日6:10am)したのか。
原子炉建屋の上部に非常時に手動で開けられるような穴を作っておくべきだ。
通信手段
携帯は当てにならない。デジタル機器だけに頼らず、原発敷地内ではトランシーバ、外部との連絡にはアマチュア無線などアナログ機器も利用したらどうか。
ヘリ空輸を含めた夜間訓練の必要性
今回の事故で一番大事な時期の全電源喪失後の8時間が夜であったことからも、電気の通じない夜間の訓練をしておく必要がある。
原発の国有化
このような対策は一企業ではできない。アメリカの指摘するように危機対策を考えておくべきだ。有効で法的に強制力のある機関とはどういうものだろうか。当該電力会社の技術者を中心とし、原子力関係の学者、当該電力会社の社長、政府を含めた機関が、事故と同時に立ち上げられるように準備しておくべきではないか。
今の原子力安全・保安院は当事者として行動しているのだろうか。現在では東電と原子力安全・保安院が一体となって対策に当たっていないように見受けられる。修復作業は主に東電任せであるように思われる。
電力会社の社長、首相、担当大臣は原発についての専門知識を身につけておくべきである。
東京電力は危機に際して「撤退する」(3月14日夜)つまり責任を回避し、他人任せにして逃げることを考えていたようだ。民営とは本質的に利益を追求するだけの集団に過ぎないということがわかる。原発は国策でやっているのなら、国営化的要素の導入は必要ではないか。
被爆土壌の浄化方法
土の上下を入れ替える、ひまわり・菜の花でセシウムを除去する。汚染水の浄化にはゼオライト、フランスのフィルターなど、希望を持って浄化に取り組み、狭い国土を有効利用する。被災者ができるだけ大勢郷里に帰れるようにする。
放射能に慣れること。
チェルノブイリでは半径600kmまで汚染された。それを日本に当てはめると、狭い国土の日本では住むところがなくなってしまう。正確な汚染地図を作り、一方では土壌や家屋の浄化に取り組み、できるだけ広い面積で人が住めるようにする。学校の土壌改良もチェルノブイリの農地では、土壌をひっくり返すことで凌いだようだが、全てを電力会社の責任とするのではなく、経済性も考慮して、一般人も許容範囲の被曝は甘受しなければ、狭くて財政赤字の日本では将来ますます国民負担が増えるのではないか。文部科学省の5月9日頃の実験でも線量が以前の1/10になったという。放射線量をまったくゼロにと要求するのは駄々っ子の言うことではないか。また人類はこの地上に生まれたときから宇宙や地上から放射線を浴びているという。1年間で世界平均で2.4mSv、日本の平均は1.5mSvとのことである。人間はある程度は放射線に強い生物として進化してきたともいえるとのことだ。もちろん少ない方が良いに決まっている。マスクの着用や、ある程度被曝したら一定期間休憩して細胞が再生されるのを待つなどという知識も有用だとは思うが、ICRPの知見で許容される線量なら、あまり神経質にならなくても生きていけるのではないだろうか。皮肉なことにそのICRPの知見は広島・長崎の被曝データに基づいているのだが。
三陸の住宅建設
三陸は平坦な土地が少なく、住宅用地が足りないのだから、高台ばかりにこだわらず、低地でも鉄筋の集合アパートをつくるとか、高速道路や鉄道を防波堤代わりにするという案は有効ではないか。
また防波堤は水圧に耐えられる位にかなりの横幅が必要なのではないか。オランダの防波堤を思いつくのだが、防波堤の上には道路があって、かない幅が広い土手の写真を見た記憶がある。
以上思いつくままをまとめてみました。無知や誤解をご指摘下されば幸甚です。
2011年5月10日(火)15:00  金井 正之

2011年3月26日土曜日

福島第一原発を早くセメントで固めてほしい


福島第一原発を早くセメントで固めてほしい
今後福島原発はどうなるのだろうか。選択肢は2つ考えられる。一つは今までのような修繕的な作業を続けていくことであり、もう一つはチェルノブイリのようにセメントで固めることだ。私は今までの経過から判断して、後者に決断すべき時期に来ていると思う。5,6号機はともかくとして、1~4号機はセメントで固めるべきだと考える。
その理由は、1)放射性物質が外気や外洋から遮断できない状態がここ当分は続くだろうということである。建屋が破壊されていること、水素爆発を防ぐために天井に故意に穴を開けたこと、容器の爆発を防ぐために圧力容器内から排気を強制的に排出したこと、2系統の冷却水系(炉内循環と海水循環)を使用できず、炉内冷却水を直接海水に排出していると思われること等である。2)放出された放射線総量がここ12日間で3万~11万テラベクレルで、このままで行くとチェルノブイリの180万テラベクレルに、あと184日(約6ヶ月)で届くこと。4)飯舘村の土壌汚染は201㎡あたり326万ベクレルとなり、これはチェルノブイリで強制移住の対象となった55万ベクレルの6倍にもなること。5)海洋汚染も広がりつつあること。これは魚として人体に取り込まれたり、水蒸気となって陸地の関東・東北地方を汚染するだろう。東電は海流の進路に当たる原発の北側の海の汚染状況を公表しないが、南側16㎞の地点で2412.6倍とのことである。6)核燃料棒はすぐには冷めないということ。その熱で水蒸気や黒煙を発生させ、それとともにヨウ素やセシウム等が上空に舞い上がり、雨となって、または雨が降らなくても地上に落下することである。(定期降下物が晴れた日にも降下していることは、文部科学省のモニタリングデータが示している。)
報道によれば、事故を起こした原発は、今までのような作業が仮に成功しても、(しかしそれは楽観できないようだ。というのは2号機周辺では放射線量が高くて作業ができないようだからだ。また3号機では作業員3人の被曝によって原子炉または燃料プールの、特定できないどこかに損傷がある可能性が強いことがわかった。)終息するのに一と月とか二た月とかいう短期間でなく、10年くらいかかるらしい。セシウムの半減期が30年であればそのくらいかかるのかもしれない。そしてそれまでずっと我々は、天井が壊れて大気にさらされた、または水素爆発を避けるために故意に天井に穴をあけられた建屋から、ヨウ素やセシウムを含んだ黒煙や白煙が日常的に舞い上がる様子を毎日気をもみながら見ているのだろうか。
322日の雨で今まで検出されていなかった長野県、山梨県、静岡県でも定期降下物ヨウ素131とセシウム137が検出されるようになった。半減期30年の水に溶けやすいセシウムは土壌に蓄積し続ける。農業に適さない土壌は広がるばかりだ。不毛の荒野が原発の周囲何キロまで広がるのだろうか。
323日(水)の関東地方は晴れの良い天気だった。21日、22日は雨だったので納得できるのだが、23日の良い天気の日に、定期降下物の一つヨウ素131の量(これは空気中に飛散している量である。)が22日と変らず多いのに愕然とした。それまで少なかった東京都でも(19日9時~20日9時の間では40MBq/㎢だった。)1日雨だった21日9時~22日9時の間は32,000MBq/㎢、午前中雨だった22日9時~23日9時の間は36,000 MBq/と増えている。そして晴れだった23日9時~24日9時の間は13,000MBq/㎢と依然として高い数値のままなのである。200キロも離れた東京の飲料水が飲めなくなるとは、放射能の威力を思い知らされる。水をペットボトルに頼らざるを得ないとは情けない限りだ。しかしこれも静岡や長野まで汚染が広がれば、信頼できない天然水も出てくるかもしれない。
汚染されているかもしれない水に足をつかってまで必死に作業している方々には頭が下がる。生活がかかっている社員や消防士・自衛隊員は修復作業を断ることはできない。被曝作業員をこれ以上増やしてほしくない。
老朽化し、しかも炉心が溶融して、いずれにしても今後使うことのできない原発を修理するような作業は無駄にならないだろうか。それともまだ修理してまた使うつもりなのだろうか。それはあまりにも自己中心主義的な考え方ではないか。作業員や農家をはじめ、国民のことをどう考えているのかと言いたくなる。
今専門家特に原子力工学専門の先生方の責任は重大である。今をおいていつ発言するのか。私たち庶民はただ東電社長と菅首相の英断を祈ることしかできない。   2011326()
群馬県前橋市青柳町 無職 64歳 金井正之

大橋昭夫『副島種臣』新人物往来社1990

  大橋昭夫『副島種臣』新人物往来社 1990       第一章 枝吉家の人々と副島種臣 第二章 倒幕活動と副島種臣 第三章 到遠館の副島種臣     19 世紀の中ごろ、佐賀藩の弘道館 026 では「国学」の研究が行われていたという。その中...