2020年2月3日月曜日

済州島四・三事件 文京洙(ムン・ギョンス) 平凡社 2008 感想


済州島四・三事件 文京洙(ムン・ギョンス) 平凡社 2008

感想 四・三事件を歴史的にどう評価するか。筆者によれば、今まで四・三事件は「無辜の被害者」という視点で扱われることが多かったという。
そのような見方に対して異議を唱えるのは、四・三事件を「武装暴動」だとする反共・右翼ばかりでない。梁正心(ヤンジョンシム)という女性も異議を唱える。四・三事件を、「済州島民の自治」や「無辜の民の被害」と捉えるのでは、「抗争」の視点が見落とされてしまうという。つまり四・三済州島民の闘いが、民族統一を目指し、単独選挙・単独政府213反対あった点を見落としてはならないという。217
 その通りである。最終的には米ソ中を含めた冷戦構造の解決、つまり米ソ中など関係者を含めた歴史評価の統一に至らねばならない。
 筆者の意見はバランスのとれた考え方である。私も賛成だ。しかし、警官の中には、右翼でなく仕事上「弾圧」しなければならず、その職務執行上において武装勢力に虐殺されたとも言えるかもしれないと筆者は言いたいのだろうか。もしそうだとすれば国家の過ちはなくなってしまうのではないか。その点について、筆者の文章は曖昧だ。そういう論理ならば、国家が何をしても、善良な警官や軍人がやったことなのだから、何処までしても許されることになりはしないか。

 済州島の民衆に見られる気の毒な現象がある。私もそうだった。自閉症である。彼らは事件について長い間しゃべろうとしなかったという。真実を語っても、政権が変わればまたやられることを知っているからだ。そして独裁者朴正熙を圧倒的に支持したという。金大中ではなく。151, 152
 そして四・三事件以後の済州島の若者は、自らの生存を保証してもらうべく、積極的に海兵隊員に志願し、朝鮮戦争では荒々しい攻撃性(虐殺?)を平然と行ったという。152

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幸徳秋水『帝国主義』1901 岩波文庫2004 山泉進校注 幸徳秋水「社会主義神髄」1903.7 『日本現代文学全集』32 社会主義文学集 講談社 昭和38年1963年

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