2026年5月21日木曜日

小沢隆一『日米軍事同盟と憲法9条』新日本出版社2025

 

小沢隆一『日米軍事同盟と憲法9条』新日本出版社2025

 

 

2章 日米軍事同盟の現在と憲法九条

 

051 自衛隊は憲法違反である。これは多くの憲法学者の共通の理解である。しかし政府は自衛隊創設時1954に、「侵略戦争は違憲だが、自衛戦争は合憲である」という解釈をするようになり、最高裁はその判断を避けてきた。(長沼事件、百里基地訴訟)

政府は9条第1項の「国際紛争を解決するための」の部分を、侵略戦争と解釈し、それ以外の自衛のための戦争は合憲だと、敗戦直後1946.6.26の吉田茂首相の解釈0491項:侵略戦争否定、2項:自衛戦争否定。全体として自衛戦争も否定)を変更した。

 

 

感想 2026513()

 

本書の第5章「日米軍事同盟の歴史的展開」を読むと、日本国憲法がその制定当時の国連憲章の精神と結びついていることが分かります。つまり国連憲章には、武力によって紛争を解決しない、平和的に紛争を解決すると書かれています。それは仮想敵国を想定する同盟関係はもうやめよう、というこれまでの二度の世界大戦に対する反省の上に立つものであり、「かつてないほど強固な日米同盟」という表現をよく耳にしますが、それは国連憲章に違反していることになります。

 

174 もう一つ、国連憲章は、個別的自衛権(専守防衛)や集団的自衛権が、それまでの戦争の原因になっていたという反省の上に立っているから、先ず非戦を貫き、それでも、もし他国から侵略された場合には、国連による集団安全保障によって対応することになっており、それまでの一時的な防戦として、個別自衛権や集団的自衛権が認められていたにすぎない。つまりそれは国連憲章では例外的なものとされていた。

国連憲章51条は、集団的安全保障も固有の権利として認めているが、それは後で使いたいと思っていたアメリカが入れたもので、このとき作り出されたものである。

 

 もう一つ、ジョン・フォスター・ダレスの発言について一言したい。今トランプが世界を相手にやりたい放題のことをやっているが、それはトランプに始まったことではなく、ダレスという男が、すでに80年前からやっていたことである。ダレスは米が特別な大国であると自認していた。以下は、米が安保理で拒否権をもっているから、西半球で好きなことができるという、米上院での国連憲章をめぐる公聴会でのダレスの発言である。

 

「安保理は米の同意がなければ(軍事)行動がとれない。西半球(南北アメリカ)における(米の軍事)行動を、安保理を通してとるか、それとも安保理では(拒否権で)反対しておいて、(その軍事)行動を米州諸国との防衛条約に委ねるか、いずれかを米は自由に選択できる。」

 

 

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