2025年10月20日月曜日

講演 小沢隆一「日本を本当の「平和憲法」の国にするために―憲法九条の価値をもう一度考える―」20251019

 

講演 小沢隆一「日本を本当の「平和憲法」の国にするために―憲法九条の価値をもう一度考える―」20251019

 

 

小沢隆一さんは安倍晋三・菅義偉内閣によって日本学術会議から除外された6人のうちの1人です。

 

小沢さんは講演の締めくくりとして、今後の日本人が日本国憲法をどう育てていくべきかについて語り、その中で保阪正康さんの、今年2025716日の「世田谷区戦後80年記念シンポジウム」での提言を引用しました。

 

「憲法9条は未だ「平和憲法」ではなく、「非軍事憲法」でしかない。それが本来の「平和憲法」に成長するためには、日本人一人一人が「平和の思想」を持たねばならない。今の憲法9条にはそれが欠けているから、今後この思想を創り上げていくべきである。」

 

と提言されたとのことです。なおこれに関連して、保阪さんには『憲法を百年生かす』という著書もあるとのことです。

 

 

蛇足

 

なお保阪正康さんは、(はっきり聞き取れなかったのですが、「保阪・保阪コンビ」と言っておられたから、おそらく奥様の)保阪さんとともに、本講演者の小沢隆一さんと同様、「世田谷・九条の会」で活動されておられるとのことです。

 

私は保阪正康さんは学者ではなく、単なるストリーテラー、ノンフィクション歴史作家であり、話し方はうまいが、その都度のテーマに合わせて都合よく話しをまとめ、全体的な歴史的視点に欠けているのではないかと思っていましたが、お見それしました。

 

 

メモ

 

 

小沢隆一 66

 

上毛新聞社が出版した前橋空襲に関する著書の中で、奥野とめ子は、前橋空襲後(翌日の86日)、天皇に戦争終結を求めて直訴した。

 

参政党の表と裏。薄っぺらな政策。参院選は衆院選に比べて一般的に投票率が低いが、今回の参院選では投票率が従来よりも7%上昇した。これは今まで投票しなかった人が投票したものと思われる。

 

日本人は戦後80年の歴史を知るべきだ。

 

維新は「議員数を減らすべきだ」と言うが、少なくすると有権者の声が議員に届きにくくなる。そのことを市長や知事しかやったことのない吉村洋文には分からない。維新にはその橋渡しをやる気がない。維新はトップダウンの政治をしてきた。

 

 

1 九条と国連憲章 九条は丸腰論と言われるが、

 

国連憲章の精神は、国際間で何かもめ事がおこれば、武力ではなくて平和的に解決しようという精神である。それは二度の大戦で1億人(第一次大戦で2千万人、第二次大戦で5千万人から8千万)もの人命が失われたという反省に基づいている。

それまでは軍事同盟だった。それは失敗した。そこで国連憲章は、諸国家は敵ではなく、みな仲間だとしている。国連憲章も武力に言及しているが、それは伝家の宝刀であり、使わないことが前提である。実際、今のウロ戦争でも、ロシアに対して第三国は武力を使っていない(北朝鮮は別だが)。国連の5大国の仕組みは、武力を使わないという精神を反映している。

 

日本国憲法の解釈は、戦後すぐの時点では、武器を持たないという吉田首相の解釈1946/6/26から、23年後には、武器を持ってもいいに変化して行った。その原因は朝鮮戦争である。

金日成による朝鮮戦争開戦の提案に対して、中国では周恩来は反対したが、毛沢東は援助した。ソ連は国連に欠席し、ソ連抜きの国連軍ができた。

吉田茂も考えを変えて九条では危ないとなり、日本が独立しても米軍は日本にいてくれと変わった。

当初マッカーサーは米軍基地は沖縄だけで十分としていたが、朝鮮戦争勃発で、日本全土の基地を求めるようになった。

日本国民も、再軍備は駄目だが、米軍にはいて欲しいと思った。

 

20256月、EUGDP3.5%(インフラを含むと5%)の軍事費出費に突き進んだ。それはウロ戦争のせいである。それに対して日本は1.5%である。

 

9条のお蔭で日本は国家も民衆も武器を持たない。この意味は大きい。

緊急事態条項は、軍と自身災害とを同一に考えている。

憲法の思想の自由に関して、

自由民権運動のときの弾圧は、どの思想が悪いと指定していないが、治安維持法はこういう思想はいけないと思想を特定した。統一教会に関しても、その考え方が悪いからとは言ってはいない。迷惑をかけたから解散命令を出すのだ。

学問の自由は明治憲法には書かれていなかった。だから滝川事件が起こった。

戦前は教育の権利はなかった。教育勅語(天皇の教えを学ぶ義務があった。)

「教育の義務」は子ども義務ではなく、国家や親が子どもに教育を与える義務である。

維新や自民は「国家のための教育」を言っている。「優秀な子どもを育てる」といい、劣った子どもはほっとけという考え方である。

 

2 防衛費が従来の5兆円から、(25年度予算では)9兆円に膨らんだ。

「防衛財源確保法」2023は軍事費のプール金「防衛力強化資金」である。年度を超えて貯めることができる。「5年間で43兆円」がそれである。不明朗である。

会計年度で完結するというきまりがあった。「会計年度独立の原則」「予算単年度主義」である。それがしばりとなっていた。

「総計予算主義」「予算単一の原則」もあった。どんぶり(全体の容量)が決まっていて、予算執行後に予算が余れば、その余りをいったんどんぶりにもどすことになっていた。それをどんぶりに戻さないで軍事費にまわしている。

「赤字国債禁止の原則」があり、(赤字国債を発行する際には)毎年「特例法」を作っている。その特例法の例外が、「建設国債」であり、2年前から軍艦を作るのに建設国債を適用し始めた。

政府は国民の「軍事費に所得税は使わせないぞ」という声に配慮し、まだそれに手を付けていない。煙草税と法人税には手を付けて軍事費にまわしているが。

 

3 保阪正康は、「今の憲法9条には「平和の思想」が欠けている」と指摘する。

被団協の「受忍しない」という考え方が大事だ。それは他の戦争被害者(空襲被害者や慰安婦など)にも通じる。「平和的生存権」

核兵器と人間は共存できない。

日本が米に対して「拡大抑止論」を求めることは、米による核の先制使用を容認することになる。日本の外務省は「核の先制使用をやめないでほしい」とオバマに要請した。

 

以上

 

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