2025年10月9日木曜日

平野雄吾『パレスチナ占領』TBS荻上チキより

 

平野雄吾『パレスチナ占領』筑摩新書1056円 TBS荻上チキより

 

 

平野雄吾1981- 一橋大学大学院経済学研究科修士卒

 

 

感想

 

イスラエル国民の問題点は自己中心的であること。自分だけが被害者だという過去の思いから抜け出せないでいる。

 

 

パレスチナ人に対して差別的な司法制度

 

西岸では

 

・恣意的にパレスチナ人を逮捕・拘禁する。

・家屋の所有権をパレスチナ人には与えず、家屋を恣意的に破壊している。

・毎日イスラエル人による暴力が起き、一軒一軒と家が壊されている。(しかしそれは報道されない。)

・司法の弱体化 入植地での裁判でパレスチナ側に有利な判決が出たこともあって、ネタニヤフは「司法改革」を行い、司法判断を国会が覆せるようにした。

 

 

ハマスによるイスラエル民間人への無差別発砲・拉致とその後のイスラエル国内の反応

 

2023107日、ハマスは無差別に発砲した。

107日直後、イスラエル国内の報道で(ハマス打倒・開戦への)異論はなく、異論があっても声が上げられなかった。

 

イスラエル国民は10/7直後はヒステリックで、反戦デモは禁止されていたが、やがて反戦デモが始まった。しかしデモ参加者は、「裏切者」と呼ばれ、「ガザでのジェノサイドは止めろ」というプラカードを持った男性に対して、50代の某女性が「ジェノサイドはホロコーストしかない」と言った。これは自己中ではないか。イスラエル国内のアンケでは「ガザの窮状を考えるべきだ」は2%にすぎない。

 

イスラエル国内ではガザの被害状況はほどんど報道されていない。西岸での占領についても報道されていない。西岸ツアーに参加したことがあったが、イスラエルの報道機関は左派系のハーレツの記者一人しかいなかった。

 

イスラエル人は皆が軍に入っているので、軍がガザのジェノサイドに関わっているとは認めたがらない。メディアもそれを報じたくないし、イスラエル国民も見たがらない。「ハマスの方が仕掛けてきた、私らは被害者なのだ」と思っている。

 

ガザ=ハマスと考え、ガザを破壊すべきだという人がいるが、それは教育などの影響である。

 

 

イスラエルにも国際協調派が存在する

 

・オルメルト前首相2006.5.4-2009.3.31「戦争をやめるべきだ、世界と共存すべきだ」とネタニヤフを批判している。

・左派系のマスコミ「ハーレツ」が存在する。

・反戦デモは続いているし、徴兵拒否やPTSDもある。

 

イスラエル軍への従軍取材の状況

 

10/7直後はガザに入れなくなったが、3週間後にまず米CNNFOXや、BBCが入った。次に仏独の記者が入り、その後で私に従軍記者のオッファーがあった。

ガザでは砂利道ばかりで、民間の建物全てが破壊されていた。3台の車で行った。兵士に案内され、民間の住宅の隣にあるハマスの地下トンネルの穴を見せられた。取材はイスラエル政府に制御された。パレスチナ人はいなかった。

ガザ北部ベイトヒラ(10kmほど入ったところ)へ行った。

兵士A「ハマスは許せない。」兵士B「ハマスと民間人とは違う。」と一色ではない。

 

 

 

 

ガザの状況

 

ガザへの物資の支給について共同通信の某記者が手記を書いた。一日一食…

 

 

ハマスの状況

 

・ハマスにとって人質を全員解放したら、交渉材料がなくなり、すべてが終わりになる。

・ハマスによるロケット攻撃は1年間しかもたなかった。今ではスナイパーか路肩爆弾。

 

以上

 

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