群馬AALA講演会 2026年4月19日 新藤通弘氏講演レジュメ
感想 2026年6月15日(月)
米トランプは「キューバはもう風前の灯火だ」と言っておきながら、その二日後には、「キューバは米国の脅威になっている」として非常事態宣言をするという、支離滅裂な発言をするが、これは非常事態宣言を発して、武力介入の意思を示したということだろうか。
感想 2026年6月14日(日)
自分の国の法律を他国にまで強制するというトランプの手法は、トランプに始まったものではないようです。1996年のヘルムズ=バートン法がそれで、2024年10月や2025年の国連総会でも非難されています。ちなみに1996年当時の米大統領は、民主党のビル・クリントン1993.1.20-2001.1.20です。
ヘルムズ=バートン法1996*は、米国の領域外に適用され、他国の主権と他国の法制下にある企業及び個人の合法的利益や、通商・航行の自由を侵害していると、2024年10月の国連総会で、加盟193か国中、賛成187(96.9%)で非難されました。
*ヘルムズ=バートン法(キューバ自由民主連帯法1996)は、キューバに対して経済制裁するための連邦法である。キューバ政府に接収された米国の資産を利用して利益を得る第三国の企業に対し、アメリカ国内での損害賠償請求や、入国拒否を認める。
感想 2026年6月14日(日)
19世紀のアメリカは、その後半においてイギリスを抜いて世界一の資本主義国、GDPで世界一になったというが、南アメリカに対して、大日本帝国が周辺の朝鮮や中国に対して行ったのと同様に、例えば、「満蒙は帝国の生命線」(松岡洋右、1931)のように、南アメリカを我が経済圏として、ほしいままにしていたことが、当時の大統領の発言*から分かる。そのアメリカが戦後日本に対して「民主主義」を導入したというが、それは実際どういうものだったのだろうか、気になるところだ。
*1805年、ジェファソン大統領は、「米西戦争が起きた際には、ルイジアナとフロリダの防衛にキューバは不可欠ゆえ、キューバを占領する」という意図をイギリスに伝えていた。また、
1823年、ジョン・クィンシー・アダムズ国務長官「キューバ島は、わが国益の中に重要な位置を占めており、それはいかなる外国領土の重要性とも比べ物にならない。熟れたリンゴが嵐によって地上に落ちるように、キューバが物理の法則に従って、米国の支配下に落ちて来るのが当然である」
感想 2026年6月10日(水) トランプ政権のベネズエラに関する言説は、全く根拠のない誹謗中傷である。その狙いは体制転換。要するに独占資本主義擁護に反旗を翻す者は気に入らいない、暴力的に潰すということだ。
アメリカのキューバへの介入は、キューバ革命1953.7.26-1959.1.1以来の60年間にわたる。「国家非常事態」021と銘打って、民主党のクリントンもオバマも、キューバに干渉してきた。そしてトランプの目論見は、キューバの体制転換である。キューバはそれを内政干渉とするが、当然である。米はまたニカラグアに対して、キューバを援助しないように仕向ける工作をしている。
米は共産主義の存在そのものが気に入らないようだ。
ベネズエラ
オバマ大統領2009.1.20-2017.1.20もベネズエラに制裁を科した。
2014年2月、アメリカ(オバマ大統領)はベネズエラの反政府勢力(レオポルド・ロペス、マリア・コリーナ、アントニオ・レデスマら)を扇動し、暴力行為を伴う「ラ・グアリンバ」というベネズエラ不安定化工作を実施させた。
2014年12月、オバマ大統領は、ベネズエラ制裁法「ベネズエラの人権及び市民社会擁護法」案に署名した。
2015年3月、オバマ大統領は、「ベネズエラは米国の安全保障及び対外政策上の脅威である」として、国家緊急事態を宣言し、ベネズエラ政府関係者に対して制裁を科した。
米国の制裁によるこれまでの被害額は1,025億ドルに上り、これはベネズエラのGDPの1年分に相当する。(デルシー・ロドリゲス副大統領2021.2.2)
米国は2015年までに、ベネズエラに1,027余の制裁を科した。
第一次トランプ政権2017.1.20-2021.1.20
2019年1月、ベネズエラのフアン・グアイドー当番国会議長が、ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当2018.4-2019.9)と相談の上、ベネズエラでの反政府集会で、自らが暫定大統領だと自己宣言すると、トランプ大統領は直ちにグアイド―が暫定大統領だと承認する声明を出した。
2020年5月3日、ベネズエラ政府は、クーデターにより政権転覆を目論む傭兵の上陸を阻止した。これにはグアイド―が関与していた。これを「ギデオン作戦」という。ベネズエラ政府は、コロンビアと米国を非難した。
バイデン政権2021.1.20-2025.1.20
2024年11月19日、ブリンケン国務長官は、7月末のベネズエラ大統領選で、野党統一候補のゴンザレスが次期大統領だとの認識を明らかにした。
2024年11月27日、米はベネズエラのマドゥロ政権に対する追加制裁を発表した。
2024年11月28日、米政府高官は、7月のベネズエラ大統領選後の抗議行動を不当に鎮圧したとしてマドゥロ大統領の閣僚を含む21人の高官に制裁を科した。
アメリカは23年間に、ベネズエラにおける4度のクーデターと5度の過激暴力活動に関与した。
トランプ第二次政権2025.1.20-
ベネズエラ侵略の準備
2025年6月7日、米政府がニコラス・マドゥロの逮捕につながる情報に対する報奨金を、5000万ドルに倍増すると発表。(「倍増する」というのだから、それまでもやっていたということだ。)
2025年7月25日、トランプ政権は、同政権が麻薬組織だとする「カルテル・デ・ロス・ソレス」をテロ組織として正式に指定した。(後述)
2025年7月27日、米艦隊のサンアントニオ、アイオワジマ、フォートローダーデールを、ベネズエラ沖に展開し、原子力潜水艦とミサイル巡洋艦も派遣したようだ。(「可能性」、情報筋)
2025年8月8日、トランプ大統領が、議会を通さず、ラテンアメリカの「麻薬カルテル」に対する軍事力行使を承認した。
2025年8月16日、マルコ・ルビオ国務長官は、マドゥロ大統領を「太陽カルテルのリーダー」だと非難するメディア攻勢を開始した。
2025年9月2日、カリブ海に展開している米軍が、ベネズエラを出航した「麻薬船」を攻撃し、11名を殺害した。(2026年4月19日現在までに30件以上攻撃し、107名を殺害した。)
2025年10月14日、トランプ大統領がベネズエラ国内でのCIAによる「秘密作戦」を承認した。
2025年10月25日、米国防総省は空母ジェラルド・R・フォードとその艦載航空部隊を南米北部(ベネズエラ近海)に派遣した。
2025年11月15日、トランプ大統領が、ベネズエラへの軍事行動の可能性を検討中だと表明した。
2025年11月21日、トランプはマドゥロに電話し、11月28日までに辞任するように圧力をかけた。
2025年12月2日、トランプ大統領が「地上への攻撃を近く始める」と警告した。
2025年12月24日、米軍がベネズエラの工場を秘密裏に攻撃した。
2025年12月30日、米軍がベネズエラに無人機攻撃した。これはベネズエラに対する初の地上攻撃であった。「船に麻薬を積み込む」埠頭エリアで大爆発が起こった。
2026年1月3日、米軍がベネズエラのカラカス他3県を攻撃し、マドゥロ大統領夫妻を拘束し、ベネズエラ国外に連れ出したと発表した。100人を殺害し、医療施設を破壊した。
ルビオ国務長官は「2024年のベネズエラ大統領選挙は不正選挙であり、マドゥロに大統領の資格はなく、したがって不逮捕特権はない。その政府は合法的な政府ではない。マドゥロが麻薬組織「カルテル・デ・ロス・ソレス」のリーダーだ」とする。
ニューヨーク連邦地裁の起訴状は4つの罪でマドゥロを告発した。
・麻薬輸入の共謀
・麻薬テロの共謀
・機関銃や破壊装置の所持
・機関銃や破壊装置の所持に関する共謀
「カルテル・デ・ロス・ソレス」について、
ピノ・アルラッチ元国連薬物犯罪事務所UNODC所長は、その存在を明白にかつ詳細に否定している。(2025年8月27日)
コロンビアのペトロ大統領も、その存在を否定し、「ソレス・カルテルは存在しない。それは極右が自分たちに服従しない政府を打倒するための架空の口実にすぎない」と述べている。
ワシントン・ポスト紙も「「カルテル・デ・ソレス」は存在せず、右翼が政府を打倒するための口実だ」と指摘している。
NYTも「米司法省も、2026年1月、カルテル・デ・ソレスの存在を否定している」とする。
米国政府自身も、「米国に流入したフェンタニルのほぼすべてが、メキシコで生産され、その化学物質の原料は中国が主な供給源だ」と明らかにしていたし、米国税関国境取締局CBPも、フェンタニルの96%を、メキシコ側の南部国境で摘発している。
米国麻薬取締局DEAは、2024年12月、ファクトシートを発表し、「コカインはコロンビア、ペルー、ボリビアで栽培され、米国に到達するコカインの90%は、コロンビアで生産され、殆どがメキシコ経由で流入している」と明記している。
米国に向かうコカインの大部分は、カリブ海からではなく、太平洋を通じて輸送される。
「「トレン・デ・アラグア」という麻薬マフィアは、2025年1月、ベネズエラの治安機関によって壊滅され、その一部はチリ、コロンビア、ペルーに逃亡し、その残党は極右勢力に吸収されて攪乱工作を行っている程度である」と、ベネズエラ外務省は、2025年8月24日、声明を発表している。
米国情報機関が最近機密解除した報告書も、「マドゥロ政権が「トレン・デ・アラグア」の運営を指揮も支援もしていない」としている。
マドゥロ政権は正当な政権であり、独裁政権ではない。
・集会結社の自由 40近い政党があり、国会議員選挙や大統領選挙に参加していて、それはテレビでも新聞でも報道されている。
・政治活動の自由 極右のマチャード、エドムンド・ゴンサーレスも街頭の集会で演説している。
・表現の自由 民間テレビ13局はすべて野党系で、政府批判一辺倒である。市民は自由に視聴できる。新聞は反政府派の「エル・ナショナル」、「タルクワル」などが発行されており、検閲はない。また反政府派のウェブサイトも運営されており、政府の介入はない。
・選挙の自由 大統領選は6年ごとに、国会議員・県知事選は、5年ごとに実施されており、犯罪者以外は、反政府派でも誰でも立候補できる。前回の大統領選では32の政党から、10人が立候補した。選挙管理委員会の構成は、与党系3人、野党系2人で、政府が独占しているわけではない。
・立法・司法 国会での野党議員数は、285議席中の28議席である。司法も独立している。トランプのように大統領令で重要な政策が法制化されることはない。
2024年大統領選挙
「民主統一プラットフォーム」(9政党)は、過激右翼のエドムンド・ゴンサーレスを擁立した。
1.新時代党UNT、2.急進大義党LCЯ、3.人民意思党VP、4.正義統一党PJ、5.ベネズエラ運動党M、6.キリスト教民主党COPEI、7.集合党CVG、市民参加党EC、9.ベネズエラ計画党PRVZL
「大祖国戦線」(13政党)はボリーバルやチャベスの思想を推進する左翼のニコラス・マドゥーロを擁立した。
1.社会主義統一党、2.ベネズエラ人民統一党、3.人民選挙運動、4.変革のための同盟、5.真正革命組織、6.社会民主主義党、7.我らはベネズエラ運動、8.皆のための祖国党、9.ベネズエラ・ツパマロス運動、10. ベネズエラ緑の党、11.ベネズエラ未来運動、12.ベネズエラ愛国党、13.皆のためのカラカス政治運動
このほかに10の中間政党が存在し、それぞれの候補者を擁立し、大統領選に参加した。
2024年大統領選の過程
多数のマドゥロ勝利承認団体
「選挙結果を野党側は認めず、選挙の不正を主張している」と報道されているが、野党の「変革党」のハビエル・ベルトゥチや、「ベネズエラ・ファースト党」のホセ・ブリトなど4人の野党候補は、マドゥロの勝利を認めている。
海外の政府指導者では、メキシコのロペス・オブラドール、次期大統領のクラウディア・シェインバウム、ブラジルのルーラ、キューバのディアス=カネル、ニカラグアのダニエル・オルテガ、ボリビアのルイス・アルセ、ホンジュラスのシオマラ・カストロ、米州ボリーバル同盟(11か国)、中国、ロシアなどが、また、政治組織では、チリ共産党「ポデーモス」、スペイン共産党、コスタリカ人民前衛党、ブラジル労働党、ファラブンド・マルティ民族解放戦線、ペルー共産党、イタリア共産主義再建党などが、マドゥロの勝利を確認している。
選挙過程の公正さの認定
2024年7月31日、全米法律家協会NLGの選挙監視団5名は、2024年7月28日に実施されたベネズエラ大統領選挙を監視し、「正当性、投票のプロセス、多元主義に細心の注意を払いながら、透明で公正な投票プロセスを観察した。選挙プロセスが健全であった」とし、国際監視団109組織も、選挙結果について、「問題なく無事に行われた」と共同声明を発表した。
ベネズエラ選挙管理委員会CNEの集計コンピューターがサイバー攻撃を受け、データの転送に支障をきたした。ベネズエラ検察庁の調査の中間発表では、「このサイバー攻撃は、北マケドニアから行われ、その意図は、投票報告を偽造し、集計を操作することであり、サアブ検察長官によれば、この事件の首謀者は、レスター・トレドや、レオポルド・ロペス、マリア・コリーナ・マチャードである。サイバー攻撃の後、CNEは、80%まで集計したものの、その後集計できていない」としている。(2024.7.29,
Correo del Orinoco)
ベネズエラ最高裁判所TSJ選挙法廷
ベネズエラ最高裁判所TSJ選挙法廷は、選挙結果を徹底調査した。同法廷は、ニコラス・マドゥロ、アントニオ・エカリ、エドムンド・ゴンサーレス、ベンジャミン・ラウセオ、ルイス・エドゥアルド・マルティネス、エンリケ・マルケス、クラウディオ・フェルミン、ダニエル・セバージョ、ハビエル・ベルトゥッチ、ホセ・ビリトの10名の候補と、38政党(の責任者)に対して、2024年8月2日午後2時にTSJ選挙法廷に出頭して各自の主張する投票関連文書・記録を提出するよう命じ、8月7日、8日、9日の3日間に順次公聴会を行うことを各候補者と政党に通知した。
8月2日のTSJ選挙法廷には、上記10名の候補者のうち、エドムンド・ゴンサーレスを除き、9名が出席した。そして出席した候補者は、エンリケ・マルコスを除き、結果の鑑定を実施するために必要な証拠と証明書を提出し、同法廷に協力することを書面で約束した。結局、エドムンド・ゴンサーレスとエンリケ・マルケスとは非協力の態度を取った。
国連専門家チームのメンバーは、ベネズエラ滞在中に、米国務省高官と頻繁に接触していた。
国際監視員の中の南アフリカ監視団(ANCなど7組織で構成)は、投票終了後に「選挙では不正がなく、自由で公正に行われたことを確認する」と共同声明を発表した。
カーター・センターは、これまでのベネズエラの大統領選挙や国会議員選挙での監視報告では、技術的な報告に絞っていて、一定の評価を得ていたが、今回は、
「カーター・センターは一か月前からこの報告を用意しており、その時から我々もその報告書を持っていた。現在のカーター・センターは、ジミー・カーターの時代のものではなくなっており、米国務省の者がUSAIDアメリカ合衆国国際開発庁の枠内で仕事をしている。」(マドゥロ大統領、2024.7.31 El Universal)
ここ数年のカーター・センターのリーダーシップは右傾化しており、その傾向は、米国や世界各地での活動全体に影響を及ぼしている。カーター・センターの最高責任者であるペイジ・アレクサンダーは、現在「新しいCIA」と呼ばれているUSAIDに15年以上勤務していたし、同センターのラテンアメリカ・カリブ海地域担当上級顧問であるジェニー・K・リンカーンは、ベネズエラが2017年に脱退した米州機構OASの元コンサルタントである。また、米国務省やUSAID、EU、英国政府などの資金が、同センターの財源となっており、そのことが、帝国主義の政治的圧力に対して同センターを弱くしている。
PUD統一民主プラットフォームor民主統一プラットフォーム
ラモン・クエスタは、SNSに投稿されたPUDの個々の集計報告書の矛盾を指摘した。(2024.8.15 Diario Red)
*PUDはベネズエラの野党連合の統一民主プラットフォームである。Plataforma Unitaria Democratica(craのaには上にアクセント符号がつく)
・集計報告書の多くに、様々な政治団体の立会人の署名がなく、必須のプロセスに使用された機械のオペレーターの署名もない。ちなみにPUDは数週間前から選挙の不正の可能性を非難していた。
・投票所のメンバーの署名欄の形式に一貫性がない。
・何百もの場合に、投票所のメンバーの署名が重複しているように見え、文字の形や動きのパターンから、偽造の可能性がある。(下図参照)消されたり、スタンプが押されたり、指紋のスキャンがあったりして、確認が困難だった。
デルシー・ロドリゲス大統領代行の立ち位置 原則の堅持と経済発展政策の追及
ロドリゲスはテレサ・カレニョ劇場で、三つの基本指針を定めた。
・ニコラス・マドゥロ大統領とファーストレディのシリア・フローレンスの救出
・平和の確保
・統治の維持=国家主権の防衛
2026年1月7日のロドリゲスの発言
・外部勢力はベネズエラを支配しない。
・ボリーバル革命を継続する。
ロドリゲスは年次教書の中で、
(米の)モンロー主義と、マドゥロ大統領とフローレス議員の拉致を批判するとともに、主権・独立・領土の完全性を守り、米国の投資の促進に向け、国内石油産業の改革を提案した。つまり、炭化水素法を改正することであり、これによって、投資の流れを新たな分野や、インフラが整備されていない分野に組み込むことが可能になり、石油関連収入は労働者と公共サービスに当てられるとした。
原則の堅持と経済発展政策の追及 時系列にたどってみると、
2026年1月14日、トランプはロドリゲスと電話会談し、石油や鉱物資源、貿易、国家安全保障について協議した。
2026年1月15日、中央情報局CIAのラトクリフ長官は、カラカスでロドリゲスと会談し、経済協力の可能性について話し合った。
2026年1月21日、米政府高官が、ロドリゲスが近く米国を訪問するだろうとした。
2026年1月21日、ロドリゲスが就任2回目の閣議を開催し、経済発展と平和確保について協議した。
2026年1月29日、国民議会(ベネズエラの議会)が、有機炭化水素法の部分的改正法を可決した。これはマドゥロが希望していた改革路線でもあった。
2026年3月5日、ロドリゲスは、PDVSA、Vepica*、Shell間の調印合意を主導した。これは経済再生を優先し、主権を維持した開放政策への外交方針の転換である。
*Vepicaは米テキサス州に本社を置く石油関連企業で、ベネズエラ、カナダ、コロンビア、中国などに拠点がある。
ベネズエラと米国との関係は非対称的な交渉である。(これは講演者の意見か。)
(ロドリゲス大統領は)米国による新たな戦争行為から国民を守り、内戦を回避する。
核兵器を所有し、共存のルールを全く尊重せず、国際法に基づく司法行政機関を支配する誘拐犯と交渉することは、ルールよりも権力が優先される新しい時代を象徴する非対称的な交渉である。
経済力、軍事力、政治力において著しい格差が存在する非対称的な交渉は、危機的な段階に入っている。国際法の浸食が進む中、かつては弱小国にとって、小さな盾の役割を果たしていた「ゲームのルール」は、純然たる力によって置き換えられつつある。
こうした状況では「交渉の倫理」は消滅する。弱小国の交渉担当者は、「ウインウイン」ではなく、被害を最小限に抑え、国家の存続を確保することを目指す。
ロドリゲス大統領は、地球上で最大の石油埋蔵量を誇る国家の戦略的重要性と、その卓越した地理的位置を最大限に活用し、ベネズエラ・ボリーバル共和国の存続を確保するために賢明な行動をとっている。チャベス主義者の現実主義的手法を用い、戦術的には柔軟性を持ちながらも、戦略的には「純真さ」を失わない、非対称的な交渉の枠組みの中で行動している。
半独立状態のベネズエラが取れる政策
ベネズエラは現在米国の圧倒的な軍事力の支配下にあり、半独立国の保護領ともいえる状態にある。
半独立状態で行えることは内政であり、1月29日に石油法を改正し、2月19日に恩赦法を制定した。これはマドゥロが昨年末来進めていたものであった。
米・イスラエルのイラン攻撃に対するベネズエラの対応
ベネズエラ外務省は、2026年2月28日の米・イスラエルによるイラン攻撃が、米・ベネズエラ外交交渉中に行われたことに遺憾の意を表明し、米による軍事オプションの選択を批判したが、イランに対しても「報復攻撃は不適切で非難されるべき行為だ」と表明した。ベネズエラの現政権は、米国と直接対立するような敵対的声明を避ける戦略を取っている。
2026年3月5日、ベネズエラと米国は、外交・領事関係の回復で合意した。「ベネズエラ・ボリーバル政府は、相互尊重、国家主権の平等、両国民間の協力に基づく建設的な対話という新たな段階を推進する。」(これは合意書の一部か)
ベネズエラ侵略に対する国際社会の反応
2026年1月4日、(1月3日未明における)ベネズエラでの事件に関して、スペイン、ブラジル、チリ、コロンビア、メキシコ、ウルグアイが共同声明を発したが、米を名指しすることはなかった。
「軍事行動に反対する。国際法に則り、外部からの干渉がなく、平和的手段によってのみ解決されるべきである。国際法に反し、地域の政治的、経済的、社会的安定を脅かす、天然資源や戦略的資源に対する政府による統制や、外部による管理や収奪の試みについて懸念を表明し、相互尊重、紛争の平和的解決、不干渉に基づいて構築された平和地帯としてのラテンアメリカ及びカリブ海の特性を再確認する。」
キューバ、ニカラグア、コロンビア、ホンジュラス、ロシア、中国、インドは侵略に反対し、紛争の平和的解決を訴えた。
コロンビアやデンマーク、イランは反発した。
アメリカ諸国民ボリーバル同盟諸国民貿易協定ALBA-TCPの11か国が…
その11か国とは、キューバ、ベネズエラ、ボリビア、ニカラグア、アンティグア・バーブーダ*、ドミニカ、グレナダ*、セントクリストファー・ネイビス*、セントビンセント・グレナディーン諸島*、セントルシア*、ハイチである。*カリブ海の島国
2026年1月5日、非同盟諸国運動Mnoal調整ビューローは、「1月3日に米国がベネズエラに対して行った侵略行為、すなわちニコラス・マドゥロ大統領とファーストレディのシリア・フローレンスを拉致した行為を断乎として非難する」声明を出した。
ベネズエラの抵抗力の三つの要素
一つは、コムーナ(コミューン、居住地共同体)である。コムーナは全国に5,000以上ある連帯組織で、雇用、教育、医療、福祉、道路、水などの問題を、共同で解決に当たる。コムーナは複数のコムーナ評議会で構成され、地域全体の問題に取り組む。
コムーナ評議会は、全国に50,000あり、都市部では150~400所帯が、農村部では20~50所帯が、集まり、地域の問題に取り組む。
二つ目は、政権与党のベネズエラ社会主義統一党PSUVである。党員数は、2024年現在4,240,032人で、そのうち活動家は300万人である。政治局員は、ニコラス・マドゥロ議長・大統領、ディオスダード・カベージョ書記長、シリア・フローレンス、デルシー・ロドリゲス大統領代行、ホルヘ・ロドリゲス副書記長・国会議長、アダン・チャベス(チャベスの兄)、ペドロ・インファンテ国会副議長など13名で構成されている。現在この中心を担っているのは、ディオスダード・カベージョ書記長であるが、集団指導体制をとっている。PSUVは国会議員、県知事、基礎行政区長の大半を担っていて、多くはコムーナの中心となっている。
三つめは伝統的な反米意識である。ロドリゲス大統領代行が年次教書で団結を呼びかけたエンリケ・カプリ―レス(正義第一党)やスターリン・ゴンサーレス(新時代党)は、反政府野党の指導者だが、マリア・コリーナ・マチャードと違って、米国の侵略には反米意識から反対している。
顕著な回復を示す経済
マドゥロ大統領は「ベネズエラ農業大計画」を再構築し、全国の農民運動との議論を通じて農村の生産力を「解放」し、食料品の85%を海外に依存していた状況から脱却した。現在の食糧自給率は97%だと、ヘスス・ファリア国会議員は言う。ヘスス・ファリアはベネズエラ社会主義統一党のエコノミストである。キューバの食糧自給率30%程度との違いは、「私的部門が活発に活動しているからだ」とヘスス・ファリアは言う。
大量出国問題
経済苦境から一時大量出国が見られ、700万人が出国したと報じるニュースもあるが、これは大袈裟である。政府は移住者数の正確な数を公表していない。
ブラジルでは、2015年から2025年にかけて100万人以上のベネズエラ人が入国し、その半数以上がブラジルに定着したと報告されている。
2016年から2019年までの4年間の、ベネズエラ中央銀行BCVと国連の人口統計によれば、
BCV 国連
2016年 29,846,179 31,568,000
2017年 29,390,409 31,977,000
2018年 28,870,195 32,281,000
2019年 28,300,854 33,715,000
-1,546,000 +2,147,000
ベネズエラ外務省のマウリシオ・ブランコによれば、長期移住者数は100~150万人という。これは妥当な数字である。もし700万人が国外に脱出したとすれば、ベネズエラの人口2,800万人中の25%、つまり4人に1人が出国したことになるが、それは考えられないという現地の人が多い。
デルシー・ロドリゲス暫定大統領の就任100日。平和・安定・成長
デルシー・ロドリゲス暫定大統領は、就任100日間で、23%の経済成長、エネルギー主権の強化、和解、治安、ベネズエラ国民の社会保護の進展などにより、制度的な安定を固めた。
「民主主義共生のための恩赦法」により、8,084人の市民を釈放し、さらに7,782人を保釈する和解政策を実施した。
ホルヘ・ロドリゲスを委員長とする、ニコラス・マドゥロ大統領とファーストレディのシリア・フローレンス解放のためのハイレベル委員会を設置した。
2026年第1四半期の国内総生産GDPの成長率23%を記録したが、これは19四半期連続の拡大である。ちなみにマドゥロ時代の2025年のGDP成長率は年率8.66%で、その内訳は、石油部門13.41%、非石油部門5.30%、建設業19.27%、鉱業19.25%、宿泊業8.17%であった。
2026年2月の原油生産量は1日102万1000バレルを記録した。
米国がエネルギーインフラへの投資1,000億ドルを約束し、ベネズエラ石油公社PDVSAとの取引に関する一般ライセンス52号を発行した。
(スペインのエネルギー大手の)レプソルは、2028年までに、生産量を3倍にするために、3年間で最大100億ユーロを投資することになっている。ペルラ油田は5億8,500万立方メートルのガスを生産しており、ホセ・アントニオ・アンソアテギ複合施設は、25年ぶりに最高生産量を記録した。
PDVSAと(米石油大手の)シェブロンは、ガス田とアヤクチョ8(ベネズエラの油田地区)を交換する合意に署名した。
ロドリゲス暫定大統領の政権下で、最低賃金は30ドルから190ドルに引き上げられ、「戦争手当」(公務員や年金受給者向けの経済戦争手当)は月額150ドルに増額され、女性起業家向けに7,000万ドルの融資が供与された。また「プラン・ボデガ」を通じて250万世帯を支援し、サービスやCLAP(地方供給生産委員会。食糧・生活必需品の現物支給プログラム)への最大98%の補助を維持し、「カラカス・ラ・グアイラ回廊」のインフラ整備や、「オペレーション・カラカス・ソンリー」*を推進している。
*「オペレーション・カラカス」は1月3日の米軍の作戦名。「ソンリー」は「微笑んで」という意味。攻撃されても苦にしないという意味か。
就学率は97%を超え、生徒数は600万人に達した。これには新規入学者50万人と、再生された学校1,700校が含まれる。学校給食プログラムは毎日200万人の児童に食事を提供している。
違法薬物の押収量は64.44%増加し、過去20年間で最高値を記録した。
デルシー・ロドリゲス大統領代行は、国際通貨基金IMFに凍結されていたベネズエラの権利と資産の正当な回収を発表した。
キューバ
2026年1月29日、トランプ大統領は大統領令を発表し、「キューバに石油を供給する国々に追加関税を科す」と発表するとともに、キューバに関する国家安全保障上の「緊急事態」を宣言した。
この大統領令は、ロシア、中国、イラン、ハマス、ヒズボラを米国の敵対国・国際テロ組織と決めつけ、これらと提携しているキューバは、米国の国家安全保障を直接脅かしていると断ずる。そしてキューバは「政治的反対派を迫害・拷問し、キューバ国民に言論・報道の自由を認めず、国民の苦境から不正な利益を得て、その他の人権侵害を侵している」とする。
第三国への追加関税付加は、国連憲章、国際法に違反する。自由貿易体制の中で、特定の国に一方的に追加関税を付加することは事実上の制裁である。
さらに米国の対キューバ政策を第三国に適用することは、米国のヘルムズ=バートン法*1996のように、通商の自由を妨害するものであり、国連総会でも、国連憲章と国際法に違反すると、例年厳しく圧倒的多数により批判されている。
*ヘルムズ=バートン法(キューバ自由民主連帯法)は、キューバに対して経済制裁するための連邦法である。キューバ政府に接収された米国の資産を利用して利益を得る第三国の企業に対し、アメリカ国内での損害賠償請求や、入国拒否を認める。
トランプ政権のニカラグア政策 第一次トランプ政権2017.1.20-2021.1.20
トランプは「ニカラグア投資条件法」(Nica Act 2018年12月20日署名)を制定したが、これは「国際金融機関による、人道目的以外のニカラグアへの融資は、米国の承認を必要とする」というもので、内政干渉である。
トランプはこれ以前に、「マグニツキー法」を、2017年12月と2018年7月に、ニカラグア政府高官に適用していた。同法はオバマ大統領2009.1.20-2017.1.20時代の2012年に制定され、その内容は、「深刻な人権侵害に関わった人物に(米国への)ビザ発給を禁止し、資産も凍結する」というもの。
そして第二次トランプ政権2025.1.20-は、2025年12月10日、ニカラグアに対して、労働・人権問題を口実に関税を科した。
米通商代表部USTRは、「(ニカラグアには)人権侵害の疑いがある。2026年から、ニカラグア製品に関税を科す。この関税は、労働権の侵害、人権及び基本的自由の侵害、法の支配の解体に関連するニカラグアの行為・政策・慣行に対処する措置である。これまで2000件以上の公的意見や専門家協議を検討した結果、ニカラグアの行為・政策・慣行は不合理であり、米国貿易に負担や制限をもたらす。この関税は2年かけて段階的に導入され、2028年には0%から15%にまで引き上げる。これは、ドミニカ共和国・中米・米国自由貿易協定DCUFTAの原産地規則*に該当しない、全てのニカラグア輸入品に適用され、既存の18%の報復関税に上乗せされる。」とした。
*締約国の原産品は関税の優遇(減税・免除)が受けられる。
これ以前にニカラグアは次のような声明を出していた。「我らが常に祝福され自由なニカラグアの政府及び国民は、イスラエル政府によるイラン・イスラム共和国の国民及び政府に対する無謀なる侵略行為を断乎として非難する。」(ニカラグアの首都マナグア、2025年6月12日)
またこれも関税賦課問題以前のことだが、2025年9月17日、トランプ政権はニカラグアを「米国への麻薬輸送の要となる国」に指定したが、これはルビオ国務長官が主導するものであった。そしてこの指定は、オルテガとムリージョ*が米国に気に入られるよう、あらゆる機会を利用して、(ニカラグア)軍が、この地域の麻薬対策の保証者であるとしてアピールしてきた、(ニカラグアが、米国への麻薬密輸に対する)「防波堤になっている」という主張を台無しにしている。
*オルテガはニカラグアの大統領1985-1990、ムリージョはその妻。
ニカラグア紙「ラ・プレンサ」2025年10月22日or 27日によれば、米国通商代表部USTRは、「10月20日にニカラグアに対する、1974年の通商法第301号に基づく調査を完了し、その結果、同国に追加関税など輸入制限措置を講ずることが妥当」と判断した。
このUSTRが公表した措置案は、「ニカラグア産品に対する「ドミニカ共和国・中米・米国自由貿易協定DR-CAFTA」に基づく、関税減免を含めた優遇措置の、全部または一部の、即時または段階的停止や、ニカラグア産品の全部または一部に対する、12カ月以内の、最大100%の追加関税の即時または段階的な賦課」を意味した。
そして2026年2月10日、ニカラグアは、トランプ米政権の圧力により、キューバへのビザ免除を停止することになった。
2026年、激化するトランプ政権のキューバ攻撃
2026年3月9日、ロシアのタンカー「アナトリー・コロドキン」号が、バルト海沿岸のロシアのプリモルスクを出航したが、それと同時に、国連も、米国政府に対して、米国がキューバに課している事実上の石油禁輸措置の中で、人道目的でキューバが燃料を輸入できるように交渉していた。
2026年3月31日、原油10万トンと積んだ「アナトリー・コロドキン」号が、キューバのマタンサス港に到着した。ロシアの報道官によると、この燃料の搬入は事前に米国側との協議を経て調整されたものであった。
2026年4月2日、キューバのエネルギー危機を受け、ロシアが同国へ2隻目のタンカー派遣を準備した。そして同日、キューバ政府は、2010人以上の処罰対象者への恩赦を決定した。
キューバの石油購入先と派遣医師数
期日 輸入先国 派遣医師数 石油トン数
キューバの石油消費量 6,000,000
キューバ国内産 2,200,000
2025 ベネズエラ 27400/bpt 35,000 1,500,000
2025 メキシコ 1,200,000
15.10 アラブ首長国連邦
18.4 サウジアラビア 400 250,000
16.10 アルジェリア 800 330,000
17.5 ロシア(ロスネフト、ルコオイル) 300,000
合計 5,780,000
異常に高いキューバ経済部門の国有化率 総動員体制の必要性 1975年フィデル・カストロ第一書記(在任1965-2011)の共産党第一回大会での報告 フィデル・カストロ1926.8.13-2016.11.25、弟がラウル・カストロ1931.6.3-
「1968年、革命的攻勢が実施され、大量の小企業が国家の手に移された。このような措置は、必ずしもその段階においての社会主義建設における原則的問題ではなかった。しかし、我国が米帝国主義によって押しつけられた厳しい経済封鎖の条件下にあり、人的・資金的資源を最大限に利用する必要があったし、さらに、都市の資本家層が、否定的態度をとり、それが革命の過程を妨害するという特殊な状況があった。だから大量の小企業が国家の手に移された。」
『歴史は私に無罪を宣告するであろう』弁明演説1953*における9つの目標は、73年後の2026年にどれだけ達成されたか。
*カストロがモンカダ兵営襲撃事件で逮捕されたときの裁判で、自らの正当性を4時間にわたり主張したときの発言。その時に今後の目標も設定したようだ。その後、カストロは恩赦により釈放され、革命を導いた。
目標
1、人民主権を確立し、1940年憲法を復活させ、立憲制度を回復し、自由と民主主義を再建する。これはかなり前進した。
2、国民経済の発展のために、多角的な工業化と、電力・電話会社の国有化を進める。少し前進。
3、大土地所有を制限し、無地・小地の農民に土地の再配分を行う農業改革を推進する。これは達成できた。
4、企業の利益の30%を勤労者に還元する、抜本的な所有の再分配。かなり達成できた。
5、一所帯一住宅を目指し、家賃の半減、家賃収入に対する課税の強化、国家による住宅建設への援助による住宅問題の根本的解決。少し前進した。
6、教育・医療・社会福祉の全面的な改革。達成できた。
7、失業問題の全面的解決。かなり前進。
8、公共資金の横領による不正蓄財の没収。達成できた。
9、米州における民主的諸国家との連帯。達成できた。
キューバはどう変わってきたか。
1940年、1940年憲法は、労働者の権利、大土地所有の制限、人種・性別の平等などを定めた当時のラテンアメリカでは最も進歩的・民主的な憲法だった。
1953年~1959年、反バチスタ独裁闘争。
1953年、フィデル・カストロが『歴史は私に無罪を宣告するであろう』弁明演説を法廷で行う。
1959年~1975年、民主主義革命から民族民主革命への過程で、米資本が猛反撃し、それとの闘いで反帝国主義民族革命に変質。主権と革命の擁護のために総動員体制をとり、
1961年4月、革命の社会主義的性格を宣言し、社会主義建設の道を踏み出した。
1965年の第二次共産党設立の際の党員数はわずか5万人(人口763万人)であった。大卒者は26,000人、識字率は80%であった。
1968年、大量の小企業を国家が掌握した。
1975年、フィデル・カストロが報告を行った。
1976年~2026年、社会主義の道への摸索
1980年代末、経済モデルが疲弊し、
1990年、平和時の非常時を宣言した。
米のキューバについての言動
1801年、ジェファソン大統領「キューバを合衆国体制の付加物と常にみなして来た」
1805年、ジェファソン大統領は、「米西戦争が起きた際には、ルイジアナとフロリダの防衛にキューバは不可欠ゆえ、キューバを占領する」という意図をイギリスに伝えていた。
1823年、ジョン・クィンシー・アダムズ国務長官「キューバ島は、わが国益の中に重要な位置を占めており、それはいかなる外国領土の重要性とも比べ物にならない。熟れたリンゴが嵐によって地上に落ちるように、キューバが物理の法則に従って、米国の支配下に落ちて来るのが当然である」
1848年にポーク大統領が、
1854年にピアス大統領が、スペインからキューバの買収あるいは略奪を企図した。また、
1857年、ブキャナン大統領も、「キューバを買収か、軍事的にか、米国に併合する」と主張した。
米の覇権主義に対するキューバの国民意識の強さ
1884年、アントニオ・マセオ(1845-1896、キューバの独立運動家。第一次キューバ独立戦争1868-1878)「米国は軍事力ではキューバを灰燼にすることができるが、血にまみれた灰燼を拾うか、戦いの中で命を落とすことになろう」
1895年、ホセ・マルティ(1853-1895、キューバの革命家・著作家)「米国が(キューバを含む)アンティル諸島に手を伸ばし、さらに強力な力で、アメリカのわれらの国々を支配しようとすることを、キューバの独立でもって適時に阻止するのが私の義務です。そして我が国とその義務のために、私は生命を捧げる危険に連日さらされているのです。」
ホセ・マルティはスペインからの独立戦争(第二次独立戦争1892-1902)のさなかの1895年に戦死した。この戦争が1898年に米西戦争に発展し、スペインが負け、キューバは1902年に独立した。
フィデル・カストロが、1958年6月5日に、シエラ・マエストラ山脈から、同志のセリア・サンチェスに宛てて書いた手紙
「マリオの家にロケット砲が撃ち込まれるのを見た時、アメリカ人に、彼らが行っていることに高い代償を払わせてやると私は誓った。この戦争が終わった時、私にとって、はるかに長期にわたる大きな戦争が始まるであろう。その戦争を、私は彼らに対して行うつもりだ。それが、私の真の運命となることが私には分かっている。フィデル」
米国の対キューバ対策 第一次トランプ政権2017.1.20-2021.1.20
2017年6月、トランプ政権は新たなキューバ対策「米国の対キューバ政策強化に関わる国家安全保障大統領令」を発表し、「米国人の教育目的による個人旅行の禁止(実質的な観光の禁止)、米国人旅行者のキューバへの渡航制限の強化、米国企業のキューバ軍・治安機関関連企業との取引禁止、具体的政策の数か月後の実施など」を表明した。
2017年度2月から(2016年秋から2017年夏にかけて)、米国大使館員とその家族が、「音響攻撃」を受け、難聴、めまい、頭痛、精神疾患などの病気になり帰国した。
2017年9月、米国務省は、キューバの米国大使館員を60%削減し、さらに10月3日、「相互主義」を口実に、在米キューバ大使館員15名の国外退去を要求した。これにより大使館業務が大幅に縮小され、事実上の大使館閉鎖となっている。
2018年4月、キューバ人の、移民協定による年間2万件以上の移民ビザや、10万人以上の訪問ビザを、ガイアナで発給(申請・面接)することにした。
経済封鎖の中のキューバ トランプ第二次政権2025.1.20-
国連総会が米による対キューバ政策に対して非難の決議をした。
2024年10月(バイデン政権時)、第80回国連総会で、決議案A/80/L.6「米国がキューバに科している経済、通商、金融封鎖を終結させる必要性」が、加盟193か国中、賛成187か国(96.9%)、反対2か国(米、イスラエル)、棄権1か国(モルダビア(ウクライナとルーマニアに挟まれた国)、欠席3か国(アフガニスタン、ウクライナ、ベネズエラ)
2025年、トランプ政権による熾烈な工作が行われ、賛成165、反対7(アルゼンチン、ハンガリー、イスラエル、北マケドニア、パラグアイ、ウクライナ、アメリカ)、棄権12、欠席9
この決議案A/80/L.6の中味は、
①米国の封鎖措置は、諸国間の主権の平等、内部問題に対する不干渉・不介入、国際通商・航行の自由を謳っている国連憲章に違反している。
②通商と航行の自由を確認する国際法に違反している。
③ヘルムズ=バートン法1996*は、米国の領域外に適用され、他国の主権と他国の法制下にある企業及び個人の合法的利益や、通商・航行の自由を侵害している。
*ヘルムズ=バートン法(キューバ自由民主連帯法1996)は、キューバに対して経済制裁するための連邦法である。キューバ政府に接収された米国の資産を利用して利益を得る第三国の企業に対し、アメリカ国内での損害賠償請求や、入国拒否を認める。
2023年度の封鎖による累積被害額は50億ドルで、これはキューバ人一人につき年間500ドルにあたる。1962年以来の累積被害額は、2025年度現在で、1,706億ドルに達し、封鎖がなければ2023年度のキューバのGDPは8%伸びていただろうと推計されている。
キューバは近年経済が停滞し、GDPは2022年+2.0%、2023年-1.9%、2024年-1.1%、2025年-1.5%とマイナス傾向である。
キューバ政府の通貨政策の間違いもあり、近年のインフレ率は20~30%であり、外貨不足のために物も不足し、発電設備の老朽化のために、しばしば全国停電が起きている。
キューバ外交の歴史
キューバは各国に医療使節を派遣してきた。
1963年、独立1962.7.5直後のアルジェリアに55名の医療専門家を派遣したのが最初である。
1999年11月15日、ラテンアメリカ医学校ELAMを設立した。
1966年or 2005年に、反植民地・革命支援の意味も込めて医療団をギニアビサウへ派遣し、1975年には、アンゴラに派遣した。
2005年9月or 1999年、ヘンリー・リーブ国際医療旅団が創設された。これは災害や流行病に対応する専門部隊であり、パキスタン地震や、西アフリカのエボラ出血熱、イタリア2020.3での新型コロナウイルス感染症COVID-19によるパンデミックなどに派遣された。
2016年時点で、キューバは世界67か国へ5万人の医療従事者を派遣した。
G77+China キューバは1971年10月23日、G77に加盟した。2023年、初めてG77の議長国となり、発展途上国と協力している。G77は国連の発展途上国の連合体で、現在130か国が参加しているが、「77か国グループ」という。
2011年、ラテンアメリカ・カリブ海諸国共同体CELACが設立され、2013年、キューバがその議長国となり、第2回CELAC会議が、ハバナで開催され、ラテンアメリカ・カリブ海地域を平和地帯に推進することを宣言し、署名した。アメリカ・カナダを除く。
米州ボリーバル同盟ALBA 2004年12月14日、キューバはベネズエラと共にALBAを創設した。新自由主義に基づかない、相互扶助と連帯を重視した地域統合を目指している。11か国で構成。前出。
非対称の国力 第一次トランプ政権2017.1.20-2021.1.20
2017年10月13日、トランプ大統領が記者会見し、「キューバとベネズエラで、政治的・宗教的自由が回復するまで制裁を継続する。キューバの共産主義独裁政権やベネズエラの社会主義抑圧体制と戦おう。」
2018年11月1日、ボルトン大統領安全保障補佐官が、米国との取引禁止の対象となるキューバ企業のリストを拡大し、「キューバ、ベネズエラ、ニカラグアを『専制のトロイカ』と呼ぶ」とした。
2019年2月18日、トランプ大統領は「ベネズエラのマドゥロ大統領はキューバの操り人形だ」とし、退陣を求め、「あらゆる選択肢がある」と軍事介入を示唆した。そして社会主義を批判し、「キューバとベネズエラは社会主義独裁国家だ」とした。
2019年4月5日、ドナルド・トランプ米政権が、ベネズエラ・キューバ間で石油を輸送する企業と34隻の船舶に制裁を科した。さらにこの4月に、他の4社と9隻に制裁措置を拡大した。
2019年4月25日、トランプ政権は、今がキューバの体制変換を図る絶好の機会と考え、各国の米大使館宛てに「緊急にあらゆる手段を使って、キューバへの資金とモノの流れを断ち、経済を窒息させ、窒息経済とモノ不足に対するキューバ国民の不満を増大させ、賃金を下落させ、飢餓と絶望を引き起こし、体制を打倒しなければならない。そのために各国の米大使館は、その国の政府に会い、封鎖強化策の推進の他に、キューバ軍諜報部隊2万人がベネズエラにいることも公的に非難するように」という指令を出した。
テロ支援国家リスト掲載問題
AIによれば、指定の設定・解除が繰り返されてきた。
1982年3月1日、レーガン政権が初めて指定した。
2015年5月29日、オバマ政権が33年ぶりにそれを解除した。
2021年1月11日、トランプ第一次政権が再指定した。
2025年1月14日、バイデン政権が2度目の指定解除をした。
2025年1月20日、第二次トランプ政権が3度目の指定をした。
米国務省は、キューバをテロ支援国家に恣意的に分類するリストに加えた。これは誹謗中傷であり、甚大な経済的・人道的損害を与えるものである。このリストには正当性がなく、懲罰的・脅迫的であり、経済的手段による政治的強制である。
これはキューバに対する封鎖措置であるだけでなく、強制措置を自動的に発動させ、国際金融機関や、キューバと関係を持つことで米国からの報復を恐れる国々を威嚇する。
ジョセフ・バイデン大統領の任期2021.1-2025.1が始まって以来、1,064の外国銀行が米国の制裁金を恐れて、食料や医薬品を買うキューバ法人の、外国銀行への送金を拒否している。
キューバのテロ支援国家リスト掲載後の1年間で、48の外国銀行が、155の案件で、キューバへの送金を禁止されている。
2024年10月17日~20日の、全国的大停電の原因は、発電用石油の不足や発電所の老朽化が原因だったが、これは封鎖やテロ支援国家リスト掲載の影響である。
2026年 第二次トランプ政権2025.1- 激化するキューバ攻撃
トランプ「キューバを脅し、圧力を維持する」「国際法は必要ない」「自身の道徳観だけが自身を止めることができる」
2026年1月8日、トランプ大統領「キューバとの戦争は、侵攻して破壊する以外は全て完了した」
2026年1月9日、キューバのロドリゲス・パリージャ外相「我々はキューバを防衛する。我々を知る者は、それが確固とした実証済みの決意であることを知っている。」
これはアントニオ・マセオの言葉1884と同じである。「米国は軍事力ではキューバを灰燼にすることができるが、血にまみれた灰燼を拾うか、戦いの中で命を落とすことになろう。」
=「キューバを支配しようとした者は、戦いで命を落とさない限り、血に染まったその土地の塵を拾うことになるだろう。」
ラウル・カストロ・ルス革命軍将軍「祖国は売らない。守るのだ」
フィデル・カストロ「キューバは屈服せず、売らず、降伏せず、跪かない革命の模範であり続けるだろう」
2026年1月11日、トランプ「キューバが手遅れになる前に米国と取引することを勧告する」
2026年1月12日、某の「ルビオ氏をキューバの大統領に」との投稿に、トランプ「いい考えだ。」「キューバはベネズエラの石油産業からこれ以上資金を受け取らないだろう」
2026年1月15日、トランプ「キューバは全ての収入をベネズエラの石油から得ている。」
2026年1月15日、キューバのブルーノ・ロドリゲス・パリージャ外相「米国政府はキューバに対する人道的措置を装って政治的操作を行っている」
2026年1月24日、キューバの燃料備蓄はほぼ枯渇しており、ハバナ当局は、アフリカから燃料を調達することにした。キューバは石油化学船「ミア・グレース号」をトーゴに派遣し、そこで積み込まれた燃料の量は、314,500バレルのディーゼルあるいは280,500バレルの燃料油である。
2026年1月27日、トランプ「キューバはもうベネズエラから資金と石油を受け取っていない。」
2026年1月29日、トランプが、キューバ政府による米国への脅威に対応する大統領令を発令した。
「キューバ政府の政策・慣行・行動の源の全部又は大部分は、合衆国の国家安全保障と外交政策に対する、異常で特段の脅威となっていると(トランプは)判断した。キューバ政府は米国を害し、脅かす異常な行動を取っており、ロシア連邦政府、中華人民共和国PRC、イラン政府、ハマス、ヒズボラなど、米国に敵対する多数の敵対国、国際テロ組織、悪意ある勢力と連携し、それらに支援を提供している。
キューバはロシア最大の海外信号情報施設を擁し、米国の機密国家安全保障情報を盗み出そうとしている。またキューバは、中国との深い、情報・防衛協力関係を構築し続けている。
キューバ共産主義政権は、米国の利益と外交政策に反し、テロリズムを支援し、移民問題と暴力を通じて、地域の不安定化を招いている。(キューバ)共産主義政権は、政治的反対派を迫害・拷問し、キューバ国民に言論・報道の自由を認めず、国民の苦境から不正に利益を得て、またその他の人権侵害を侵している。
米国は共産主義キューバ政権の暴虐に対し、一切の容赦をしない。
トランプ・米大統領は、キューバに関する状況が、そ(脅威)の源の全部または大部分が米国外にある、米国の国家安全保障と外交政策に対する異常で特異な脅威となっていることを認定し、ここに当該脅威に関する国家非常事態を宣言する。
本命令により宣言された国家非常事態に対処するため、下記に述べる関税制度を確立することが必要・適切であると判断する。本制度の下では、(諸)外国が直接・間接にキューバに石油を、販売若しくはその他の方法で、提供する国の製品である輸入品に対し、追加の従価税が科される可能性がある。
この前日の2026年1月28日、ルビオ国務長官は、米連邦上院外交委員会の公聴会で、反米で社会主義国キューバについて「我々はキューバの体制が変わるのを見たいと思っている」と語っていた。
020 キューバやキューバを支援する側の対応
2026年2月6日、キューバ政府は、エネルギー問題に対処し、必須サービスを保証するための措置を発表した。
2026年2月6日、メキシコのシェインバウム大統領が「キューバにさらなる人道支援を送る」と発表した。
2026年2月7日、国連が、「協力プログラムによりキューバを支援し、米国による封鎖を拒否する」と表明した。
2026年2月8日、ニカラグアが、「キューバ人を対象としたビザ免除措置を取りやめた」と発表した。これまで多数のキューバ人がニカラグア経由で米国に移民として押し寄せていたため、トランプ政権がニカラグアに圧力をかけていた。前出。
2026年2月10日、メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領が、「キューバに石油を供給する国々に米国が関税を科すという脅迫は、非常に不公平だ」と改めて表明した。
2026年2月11日、ロシア大統領報道官のドミトリー・ペスコフは、「米国による圧迫的な措置に直面するキューバを支援するための可能な行動についてロシアが検討している」と確認した。
2026年2月12日、国連人権理事会の複数の代表者が、1月29日に米国が発令した、キューバに石油を供給する国々に対する貿易関税の賦課を許可する大統領令を非難する共同声明を発表した。
2026年2月15日、キューバは、米国政府の封鎖と、同国をテロ支援国家リストに指定することを非難する決議を採択したアフリカの国家元首や政府首脳に感謝の意を伝えた。
2026年2月15日、キューバへの燃料供給停止により、32,000人の妊婦が危険にさらされている。
2026年2月16日、キューバでは電動自動車が移動の主役になった。またスペイン政府は、外務欧州連合協力省を通じて、トランプ大統領による(キューバに対する)禁輸措置の強化を受けて、キューバに対して人道支援を送ると約束した。
2026年2月17日、トランプが、キューバ行きの米国船と外国船の停泊・検査を許可する大統領令を1年間延長した。この措置は1996年、ビル・クリントン大統領が最初に署名して以来、現在も有効な「キューバに関する国家非常事態」の一環である。
キューバの生活は徐々に停滞しつつある。多くの学校で授業が中止され、エネルギー節約のために労働者は一時帰休され、空室に近いホテルは閉鎖され、長距離国際便用のジェット燃料は不足して、ロシア・カナダ便は欠航となっている。
2026年2月20日、トランプが大統領令に署名し、追加関税の効果はもはやなくなり、可能な限り速やかに徴収を停止することになった。ただし国家緊急事態は継続している。AIによれば、これは米連邦最高裁判所によるIEEPA関税の違憲判決を受け、追加相互関税の徴収を終了・停止したことを指す。
2026年2月23日、トランプは、国際緊急経済権限法IEEPAに基づいてカナダ、中国、メキシコ、ブラジル、欧州連合EU加盟国など9か国以上に科していた追加関税を廃止する大統領令に署名した。
2026年2月22日、コロンビア大統領グスタボ・ペトロが、米国に、キューバ政策の変更を要請した。
2026年2月27日、国連人権高等弁務官のフォルカー・テュルクが、キューバの石油へのアクセスを制限する米国の措置に反対し、「こうした措置がキューバ国民に深刻な影響を与えている」と警告した。フォルカー・テュルクは、国連人権理事会第61回通常会合で、「60年以上にわたり米国による経済・貿易・金融の封鎖に苦しむキューバの危機を悪化させている」としてトランプ政権の措置を指摘した。
2026年2月28日、キューバは、「米国とイスラエルはイランへの攻撃を止め、中東での事態の悪化を防ぐよう」呼びかけた。
2026年2月27日、トランプはキューバが経済的に深刻な危機に直面しているとして、「友好的に(キューバを)支配する可能性がある。おそらくキューバは友好な形で我々の手に渡るだろう」と述べた。
2026年3月1日、米国は、第6回ワールド・ベースボール・クラシックに出場予定だったキューバ代表団のメンバー8人に対する米国政府のビザ発給を拒否した。
2026年3月4日、キューバ外務省が、エクアドルによる、キューバ大使館職員全員の国外追放という恣意的で不当な決定を最も強い言葉で非難した。
2026年3月4日、米国による石油供給制限のために、キューバ西部のピナール・デル・リオ市から中央部のカマグエイ市まで停電が発生し、ハバナなど数百万人が停電に見舞われた。
2026年3月5日、トランプはキューバの共産党指導部との接触を認め、「彼らは助けを必要としている。俺にとっては、キューバは小さな問題にすぎない。イラン政権が倒れた後、キューバも倒れるだろう。我々はキューバの唯一の供給源(ベネズエラ)となる全ての流入を遮断した。それで彼らは取引を望んでいる」
2026年3月4日、ジャマイカ外務省が、キューバと数十年に渡り結び続けて来た医療協力協定を一方的に解除した。これは米国の圧力に屈したことを示す。そして、ホンジュラス、グアテマラ、ガイアナもそれに加わった。さらに、ドミニカその他のカリブ海諸国も、キューバとの医療団協力条件の変更を表明している。
2026年3月7日、トランプ「キューバが取引したがっているので、マルコ(ルビオ国務長官)を派遣して、どうなるか様子をみるつもりだ。キューバは準備ができている」
1996年にキューバ軍が米国の民間小型機ブラザーズ・トゥ・ザ・レスキューを撃墜し、4人が死亡した事件に関与したとして、当時のキューバ防衛相であったラウル・カストロらに対する刑事訴追の準備が米司法省で進められている。(2026年5月20日、米は、その逮捕状の存在を公式に明らかにした。)
2026年3月9日、トランプ「キューバは人道的な観点から深刻な問題に陥っている。友好的な併合になるかもしれないし、ならないかもしれない」
2026年3月12日、キューバ政府は、キューバ国とバチカンとの間の、善意と、緊密で円滑な関係、そして自由を奪われた人々の再審査と釈放のプロセスについて、歴史的に意思疎通を図って来たことを踏まえ、近日中に自由を奪われている51人を釈放すると決定した。(政治犯のようだ。4月2日には2010人を釈放した。)
2026年3月13日、キューバのディアス=カネル・ベルムーデス大統領が報告した。「3か月以上も燃料を積んだ船が、我国に入港しておらず、国民全体の生活に計り知れない影響を及ぼす極めて厳しい状況下で活動していることを改めて確認した。相互理解と協力の場を築くため、キューバ政府高官らは、最近米国政府の代表者と会談を行った。これらの会談は、対話を通じて両国間の二国間的な相違点に対する解決策を見出すことを目的として行われた。」
2026年3月14日、キューバで、停電に不満を募らせたデモ隊が暴徒化し、中部モロン市にある共産党事務所を襲撃した。停電と食糧不足に対する抗議集会は、13日夜遅く、モロン市で平和的に始まったが、14日未明に暴徒化した。
2026年3月15日、キューバのブルーノ・ロドリゲス外相「米・キューバ両国の内政問題は、トランプ政権との真剣な対話の対象にはならない。」「キューバが米国と真剣に、責任ある形で、対話する用意があることは新しいことではない。その目的は、国際法に則り、双方の主権を尊重しつつ、二国間の問題点に対する解決策を見出すことである。従って両国の内政、憲法体制、あるいは政治・経済・社会モデルには全く関与しない。」
2026年3月16日、トランプ「キューバを制圧する。それは大きな名誉だ。何らかの形でキューバを制圧する。私は、キューバとは好きなようにできるだろう」
2026年3月17日、トランプ政権は、「交渉で大きな進展をもたらすためには、ミゲル・ディアス=カネル大統領が辞任すべきだ」とキューバに伝えた。
2026年3月16日、キューバ政府は、米国在住のキューバ系住民やその他の海外亡命者に対し、キューバ国内企業への投資や事業の所有を認める方針を示した。また、キューバ政府は米企業を含む外国企業の投資に対する障害の撤廃も進める方針を示した。(これは実質的な体制転換ではないか。)
米アンケ
・他国からのキューバへの石油供給を遮断する現在の米国の政策を支持しない 46%
・米国がキューバと公式な外交関係を維持することに賛成する 61%、反対だ 10%
2026年3月19日、米政府は、キューバ向けロシア産原油を、外国資産管理局OFACが発行した新たなライセンスを通じてロシア産原油に関する取引を制限し、キューバへのロシア産石油の輸送を禁止した。香港籍の船「シー・ホース」も20万バレルのロシア産ディーゼル燃料を積んで、キューバへ向けて運んでいた。(AIによると、トランプは3月29日にこれを一転解除し「どの国が石油をキューバに送っても構わない」後述)
2026年4月14日、トランプ「キューバは非常に抑圧的な政権だった。我々は多くの素晴らしいキューバ系アメリカ人を擁している。事実上彼らの全員が私に投票してくれた。しかし彼らはひどい扱いを受けてきた。多くの場合、彼らの家族は殺害されている。彼らは殴打され、襲撃されて来た。我々はキューバの衰退を成し遂げる。イランの対応を終えた後、キューバに手をつけるかもしれない。」
2026年4月17日、トランプ「まもなくキューバに新たな夜明けが訪れる。キューバに侵攻して政権から国民を解放する可能性がある。」
2026年3月21日、キューバのロドリゲス外相「トランプ政権との交渉について、内政干渉をしない条件の下で米政府と真剣に責任ある協議を行う用意がある」
2026年3月22日、キューバのコシオ外務次官「キューバは主権国家である。主権国家として自決権を持つ権利がある。キューバは他国や超大国の属国や従属国になることを決して受け入れない。軍事行動が起こらないことを望んでいるし、その理由も見当たらない。我々の軍は常に準備万端であり、近頃も軍事侵略の可能性に備えて準備を進めている」
2026年3月23日、キューバ全土で停電が発生した。これはここ1週間で2度目である。今月には3度の大規模停電が発生した。
2026年3月25日、米国の(石油)供給業者が、今年2月上旬以降、キューバの民間セクターに、3万バレルの燃料を出荷していた。
2026年3月26日、ディアスカネル大統領「米国とまず対話の枠組みを構築し、次に双方の共通の関心事項を議題として取り上げ、双方が前進する意思を示し、その議題の議論を通じて、双方にとって有益な合意に達し、そこから成果を導き出す必要がある」
2026年3月27日、マルコ・ルビオ国務長官「キューバが惨状にある理由は、(米の制裁が原因ではなく)彼らの経済システムが機能していないからだ。それは理不尽なシステムであり、キューバの人々が苦しんでいるのは、その国を統治する人々が、21世紀に追いつくために必要な改革を行う意思がないからだ。悲しいことにキューバ人が成功できるのは、国を離れてからだけなのだ。この状況を変えなければならない。そのためには、指導部を刷新し、国を運営する体制を変え、経済モデルを変える必要がある。それが唯一の道である」
2026年3月29日、トランプ「彼らは生き延びなければならない。誰がキューバに石油を運んでも気にしない。キューバはもう終わりだ。次は我々の番だ。指導部は非常に悪質で腐敗している。(自分のことでは)」
まとめ
米・玖馬(キューバ)対話での相互の主張
米側の主張
・キューバの体制転換を求める。キューバの国内問題の変革を求める。自由な選挙の実施を求める。
・ディアスカネル大統領の辞任を求める。
・政治犯の釈放を求める。
・キューバが、イラン、ハマス、ヒズボラなど米国に敵対する国、国際テロ組織、悪意ある勢力などとの連携や支援を止めることを求める。
・キューバにおける米国資本の投資の許可と保証。
・革命後の国有化された米国企業への補償。
キューバ側の主張
・キューバに対する内政干渉の中止を要求する。キューバの主権の尊重。
・グアンタナモ海軍基地の返還を要求する。
・経済封鎖の解除
・テロ支援国家指定の解除
・経済封鎖、破壊活動による損害の補償。
・対キューバ謀略放送の停止、反政府勢力による破壊活動への支援の停止を求める。
キューバの反政府組織・グループ いずれも非合法で、勢力は数十人程度
・革新的かけはし党(PARP、代表はマヌエル・クレスタ・モルア、社会民主主義を標榜)
・キリスト教解放運動(MCL、代表はオスワルド・パヤ、2012年死亡)
・住民社会通信ネット(代表はマルタ・ベアトリス・ロケ)
・キューバ人権・国民和解委員会(CCDHRN、代表エリサルド・サンチェス)
・キューバ民主同盟(ALDEC、ギジェルモ・ファリーニャス)
・キューバ民主自由党(PLDC、エクトル・マセダ)
・白い貴婦人(DB、ベルタ・ソレル、元代表はラウラ・ポジャン)
・キューバ社会民主党(PSC、ブラディミーロ・ロカ)
・ラウトン人権協会(FL、オスカル・エリアス、ビセ)
・キューバ共和党(PRC、ウラディミール・カルデロン・フリアス、教会占拠事件)
・その他、反体制ブロガーとして、ヨアニ・サンチェス
以上
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