銃後に望む 板垣征四郎 1940年8月号 「文藝春秋」にみる昭和史 第一巻 1988
感想 20201114
板垣を批判する。
・状況判断の間違い
板垣は中国が日本の唱える反西洋の大東亜共栄圏(昭和維新)に賛成するはずだと誤解し、その方針しか目に入らない。満洲を占領したことを意図的に忘れようとしているのではないか。板垣は中国が日本による満洲占領を許さないという現実を認識していない。
・自民族礼讃の自己中に酔っている。「万世一系の皇室。金甌(おう)無欠の国体を受け継いだ大和民族。西洋人が300年で成し遂げたことを日本は50年で追い越した。世界いずれの民族にも優った日本人の天分、東洋の先覚。有色民族を白色民族の桎梏から解放する」等々、赤面の限りだ。
・米英仏ソ連(「ソ連の赤手」)を敵視し、国際協調を忘れ、そのため好戦的ならざるを得ない。
また、文芸春秋編集部の板垣評は戴けない。文芸春秋には日本が満洲を占領したという認識がないかのようだ。「陸軍大臣を辞任後、支那派遣軍総参謀長となった板垣が「中国問題に苦慮し」、国民に協力を願った(「国民に寄せた感懐」)などとしている。476
以上 2020年11月15日(日)
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